渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「申し訳ありません、偉そうな事を……」
「いいや、俺は砕けた口調のほうが好きだぞ。それに、俺は、察せない男だからな、考えている事は何でも話してくれる方が助かる」
「そ、それは……」
(そうは言ってくださってるけど……国王相手に偉そうな事を言ってしまったわ……)
カルデアは反省して、ガイアスの頬に触れた手を、引っ込めようとしたが、ガイアスがそれを許さなかった。
「ガイアス様?」
「お前がいれば、俺は俺の間まま、人のままでいられる気がする。だから、お前にとっても俺は、そんな存在で在りたいのだ」
「え……?」
「王女として、色んな悲しみを隠さなければならない時があるだろう。だが、俺の前でたけは、カルデア・アルナデールとして、一人の女として泣けと言っている」
(一人の女として、カルデアとして……?)
それは、カルデアにとって、何よりも嬉しい一言だった。
いつも、王女だからという圧力が、カルデアから自由に選択する事を奪っていた。
(ガイアス様は自由に、心のままに感情をさらけ出しても良いのだと言ってくださった……)
カルデアはその言葉に不思議と、憑き物が落ちたかのような肩の軽さを感じて、自然と涙を流す。
「……っ、不思議です、心のままに泣くという事は、こんなにも胸を軽くしてくれるのですね……」
「教えてくれたのは、カルデアだ」
泣いているカルデアの頬に、ガイアスは顔を近づける。そして、優しく唇で触れ、涙を掬った。