渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
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「え、ガイアス様が風邪を?」
寝室で読書をしていたカルデアは、部屋を訪ねてきたシュドから、驚くべき報告を受けていた。
(あの強くて、風邪なんて引かなそうな人が……心配だわ)
「驚きですよね、私が指摘するまで、本人も自覚が無かったようでして……」
「では、ガイアス様は自室で休んでおられるんですか?」
マオラが尋ねると、シュドは「はい」と頷いた。
(どうしよう、なんだかいても立ってもいられない)
ソワソワしてしまうカルデアは、意を決して立ち上がる。
「あの、ガイアス様が風邪をひいたのは、私を連れ出そうとしてくれたからなのです。どうか、看病は私にさせてくださいませんか?」
シュドに歩み寄り、カルデアがお願いすると、まるでこうなる事がわかっていたかのように「勿論です」と即答して微笑んだ。
「カルデア様まで伝染ってしまうかもしれませんよ? 看病なら私が……」
心配そうなマオラに、カルデアは首を横に振る。
(ガイアス様は、私にだけローブを被せた。自分が濡れるのも構わずに……)
自分を顧みず雨から守ってくれたガイアスに、カルデアは何かしたくてたまらなかったのだ。