渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「私がしたいのです、お願いマオラ」

「カルデア様……もう、私はカルデア様のお願いには弱いんです」


「仕方ないですね」と、マオラは頷いてくれた。

カルデアが早速部屋を出て行こうとすると、背中越しにシュドの「お節介してしまいましたかね」という呟きが耳に届く。


しかし、カルデアはガイアスの事で頭がいっぱいで、それどころじゃなく、足を止める事なく部屋を出た。


廊下を足速に歩いていると、カルデアの目の前にお粥と薬を手にした使用人の姿を見つける。


「すみません、それはガイアス様に?」

「え?あ、カルデア様!」


突然声をかけてきたカルデアに驚きながらも、使用人は「はい」と頷く。


「それ、私に運ばせてくださいませんか?」

「そんな!カルデア様にそんな事させられません!」

「いいのです、私が望んでいる事ですので。あなたがちゃんと届けた事にしてもいいので、どうか……」


必死に頼み込むカルデアに、仕方なくと言った様子でお盆を差し出す使用人。

カルデアは頭を下げて、お盆を手にガイアスの部屋へと急いだ。

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