渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
そして部屋に戻ってくると、寝台に座るガイアスの姿があり、カルデアは慌てて駆け寄った。
「ガイアス様!」
「ん……カルデアか?」
駆け込んできたカルデアに目を見張ったガイアスだが、部屋を訪ねてきてくれた嬉しさから、笑顔を浮かべる。
「良かった、目が覚めたんですね……!」
「俺は……そうか、いつの間にか眠ってたんだな」
ガイアスは気だるそうに前髪を搔き上げる。
その仕草がやけに色気を感じさせて、カルデアは咄嗟に視線を逸らした。
「っ……」
心臓の激しい鼓動を必死に抑えるよう、胸を押さえる。
(やめて、心臓、早く収まって……)
「それで、カルデアは何でここにいる?」
「あ……お粥を温め直したので、食べられますか?」
カルデアは自分の使命を思い出して、ガイアスの側にある椅子に腰掛けると、お粥が乗った盆を膝の上に乗せた。