渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「まさか……ずっと俺の看病をしてくれていたのか?」
「え……?あ、はい……ご迷惑でしたか?」
不安げに揺れるカルデアの瞳に、ガイアスは大きく首を横に振ると、カルデアの頬に手の甲で触れた。
(熱い……まだ、完全に熱が引いたわけじゃないのね)
痛ましい気持ちになり、その手を外側から包み込むようにして、自身の手を重ねる。
「いや、俺よりお前の方こそ……迷惑じゃなかったか? その、色々と……」
「色々……ですか?」
「あぁ、部屋に突然入ってきたり、行きたくもない鷹狩に付き合わされたり……」
どんどん語尾が小さくなるガイアス。
カルデアは元気の無いガイアスにズキズキと胸を痛ませながら、困ったように笑った。
「ガイアス様、私は一度も迷惑だと思った事はありませんよ」
「気を遣わなくていい、俺も振り返ってみたら、女にする所業とは思えなかった」
(本心だったのに……ガイアス様には伝わってない……?)
ガイアスにはいつもの覇気が無く、どうしたものかとカルデアは頭を悩ませた。