渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「部屋に二人きりというのは……試練だな」
「え……?」
何かを呟いたガイアスに、カルデアは不思議そうな顔をする。ガイアスは「何でもない」と言って、優しくカルデアの頭を撫でた。
「そのお粥、貰ってもいいか?」
「あ、はい!」
(せっかく温めたのに、冷めてしまうものね)
カルデアは蓮華でお粥を掬うと、迷いなくガイアスの口元に運ぼうとする。
「おい、何をしている……!」
すると、ガイアスは身を仰け反るようにして、カルデアに驚きの瞳を向けた。
(何をしているって……もしかしてガイアス様は、猫舌なのかしら)
「え?あ……あぁ!熱いですよね、今冷ましますから」
カルデアは何を勘違いしたのか、蓮華で掬ったお粥にフーフーと息を吹きかけて、屈託ない笑顔で蓮華を差し出す。
それを見たガイアスは、額に手を当てて俯くと、溜め息をついた。