渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「……この俺が、色々堪えようとしているというのに……お前というやつは……」
「あの……すみません、何か悪い事をしてしまいましたか?」
溜め息をつくガイアスに、カルデアは思い当たる節がなくて尋ねる。
わからない事を素直に尋ねるカルデアの性格は、ガイアスも好ましく思っていた。
「悪い訳ではないが……」
「それでは、どうして……悩んでおられるのですか?」
答えに困る質問に、ガイアスは頭を抱えたくなった。
いっそ開き直って、お前を抱きたくなるからだと告げてしまおうかと考えたが、ガイアスは思いとどまる。
そんな事を言えば最後、カルデアは一生ガイアスと目を合わせなくなるだろうと思ったからだ。