渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「いや、猫舌だからだ。あぁ、そうに違いない」
「え……と、お粥が熱そうだから、驚いたという事ですか?」
「あぁ、そういう事にしておいてくれ……」
どこか投げやりにも聞こえるガイアスの言葉に、カルデアは不思議に思いながらも、気を取り直して蓮華をガイアスの口元へと運ぶ。
今度は何も言わず、ガイアスはお粥を口に含んだ。
「昔、風邪を引いた弟にも、してあげた事があるのです」
ガイアスが咀嚼して飲み込むのを見守りながら、カルデアは懐かしそうに話す。
「カルデアには、弟がいるのか」
「はい……私とは二つ離れている、よく出来た弟です」
「お前は、二十四だったのか……。俺は二十五だから、あまり変わりないな」
(え、ガイアス様は二十五歳だったの……? 大人っぽいから、もっと離れていると思ったわ)
カルデアが驚いている事に気づくと、ガイアスは怪訝そうな顔をする。