渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~


「隠すな、お前の美しさは恥じるモノではない」

「っ……はい」


次々にかけられる賛美に、今すぐにでも蒸発してしまいそうなほど、カルデアの体が熱くなった。


「それで、お前の弟が風邪を引いた時も、こうして食べさせてやったのか?」

「はい」

「そうか……俺には姉弟がいないからな、羨ましい」


(ガイアス様は、一人っ子なのね。一人で寂しいと感じる事を、今までに感じていたのかもしれないわ)


カルデアはガイアスを慰めるように、より懸命に食事を食べさせる事にした。


「それにしても、この俺が風邪を引くとは……。男だというのに、情けない所をお前に見せてしまったな」


「どんなに強い男の人でも、風邪は引きますよ」


「お前には、いつでも強い俺を見ていてほしい」


(いつも強気で強引なガイアス様が……珍しいわ)

いじけるガイアスに、カルデアは母性本能をくすぐられるように胸がキュウッと締め付けられる。


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