渇愛の契り~絶対王と囚われの花嫁~
「風邪を引くと、どこか心細くなってしまうものです。ですから、ガイアス様が強くないわけでは無いですよ?」
「そういうものか……?」
「はい!」
不安そうな顔をするガイアスに、カルデアは強く頷いてみせた。
そんなカルデアを見て、ホッしたように表情を緩めるガイアスに、カルデアの心臓はまた跳ねる。
「……ですから、こうしてお世話されたり、優しくされたりして心が満たされる事も、大事なお薬だと私は思っていて……」
「そうか、お前の愛が俺を治してくれるわけだな」
「あ、愛かどうかは……」
(それを認めるのは、恥ずかしすぎるわ……)
顔を火照らせるカルデアに、ガイアスは不敵に笑っており、全身が羞恥に痺れた。