愛してるじゃなくて好きだと言って

男として警戒されてないんだなぁ。

毎度のことだが何となく釈然としない。

急によそよそしくされても寂しいけど。


顔にかかる髪をはらってやるために手を頬に寄せると、擦り寄ってくるから質が悪い。


「んん…」


幸せそうな顔しやがって。

規則正しく上下する肩を隠すように毛布を掛ける。  

名残惜しく頬から左手を抜き取り、少しだけクーラーの温度を上げてからシャワーを浴びに部屋の外へ出た。

日付はとうに変わって午前四時。

アルコールからくる異常な眠気と闘いながら髪を乾かして戻ると、なせがサクが布団と共に床に落ちていた。うつ伏せで。


何でだよ。


豆電球を付けていなかったら踏んづける所だった。

相変わらず寝相が悪い。
彼女は泊まりに来ては高確率で床に寝ている。

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