(完)嘘で溢れた恋に涙する
「じゃあ、また明日ね!
絶対うちのこと置いて行かんでよ!」


念に押す美結に苦笑いして私は頷き、


理玖は挑発するように舌を出した。


「理玖!!」


美結がその名を呼ぶと、理玖は笑いながら私の手を握った。


「やべ、美結が本気で怒るとこえーんだよ。行くぞ!」


そのまま引っ張られる。


もつれそうになる足と、
後ろから叫び声をあげる美結を気にしながら理玖の後を追う。


なんだか風が気持ちいいな。


汗ばんだ体を冷たい風が撫でるように吹く。


< 25 / 381 >

この作品をシェア

pagetop