熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
消え入るような声で優月が口にしたその名に、私は一度だけ頷く。
私の目の前で、彼はがっくりとこうべを垂れた。
優月の言う『進藤』というのは、現在、穂積コーポレーションの海外営業部で課長職に就く進藤貢(しんどうみつぐ)さん。
優月とは中学時代からの同級生で、本人曰く悪友。
私とも昔から面識のある、お兄さんみたいな人だ。
「進藤さんから聞いた話によると、私が入社してからはちょ~っと大人しくなったけど、二十代の頃は結構とっかえひっかえしていたとか」
私が唇を尖らせながら、進藤さんからの情報をすべて披露すると、優月は妙に太く深い溜め息をついた。
「怒ってる……んだろ? すまなかった。でもお前七つも下の未成年で、ついこの間成人したばかりじゃないか……いくら許嫁でも、迂闊に手を出せるわけが……」
「私、優月が他の女の人と遊んでたからって、怒ってないの。そこを責めるつもりもない。でも、本当はそれもおかしいのよ」
「綾乃?」
私が彼の度重なる『不貞』に怒って、婚約破棄を申し出たと思われては困る。
私は優月の謝罪を遮って、淡々と言葉を続けた。
「言ってみれば、優月は私を裏切ってたってこと。なのに私は、優月の浮気を知っても、怒る気になれないなんて」
私の目の前で、彼はがっくりとこうべを垂れた。
優月の言う『進藤』というのは、現在、穂積コーポレーションの海外営業部で課長職に就く進藤貢(しんどうみつぐ)さん。
優月とは中学時代からの同級生で、本人曰く悪友。
私とも昔から面識のある、お兄さんみたいな人だ。
「進藤さんから聞いた話によると、私が入社してからはちょ~っと大人しくなったけど、二十代の頃は結構とっかえひっかえしていたとか」
私が唇を尖らせながら、進藤さんからの情報をすべて披露すると、優月は妙に太く深い溜め息をついた。
「怒ってる……んだろ? すまなかった。でもお前七つも下の未成年で、ついこの間成人したばかりじゃないか……いくら許嫁でも、迂闊に手を出せるわけが……」
「私、優月が他の女の人と遊んでたからって、怒ってないの。そこを責めるつもりもない。でも、本当はそれもおかしいのよ」
「綾乃?」
私が彼の度重なる『不貞』に怒って、婚約破棄を申し出たと思われては困る。
私は優月の謝罪を遮って、淡々と言葉を続けた。
「言ってみれば、優月は私を裏切ってたってこと。なのに私は、優月の浮気を知っても、怒る気になれないなんて」