熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
そう言い切った私を、彼は怪訝そうな目で見つめてきた。


「答えはたった一つよ、優月。要は、私も優月もお互い結婚相手というだけで、そこに恋心はないからよ」

「……恋?」


意味がわからんとでも言いたげな、揺れる声で聞き返してくる優月に、私は胸を張って頷いた。


「私、優月のこと好きだし、優月に嫌われてる気もしない。でも、それってただの家族と一緒よね。だから、優月の『浮気』を知っても、なんとも思わなかった。ただ、一つだけ引っかかったことがある」

「何?」

「優月ばっかりズルいわ」


短い質問に、私はニコッと笑いかけた。
それを聞いた優月は額に手を遣り、わずかな時間沈黙した。
そして、チラリと横目を私に向けてくる。


「つまり……綾乃も『浮気』すると?」


割とストレートに訊ねられ、今度は私が口ごもった。


「俺以外の男と、『恋』する。そういうことか?」


私の反応で見透かしたのか、優月は再び不機嫌に眉を寄せた。


「ただの腹いせじゃねえか。くだらねー……」

「く、くだらなくないわ! だいたい、優月に拒否権はないの。だって、未成年とかただの言い訳じゃない。私が成人した後だって、優月は他の人と遊んでたでしょ!?」


ものすごく小バカにされた気分で、私はムキになって反論した。
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