熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「実はただのガセネタとか?」

「いや……嘘じゃないんですけど……」


自分でもこの辺をどう説明すればいいのかよくわからず、私は口ごもりながらぎこちない笑みを浮かべた。


「でも今朝、社長の車で一緒に出勤してたじゃない」

「はあ、まあ……」


そこは隠すつもりもない。
と言うのも、仕事の都合で一緒に出勤したことくらい、今までもあったからだ。
それを噂されたこともなかったし、優月に寝坊された手前、意識してウキウキしてたのは私だけだから。


なのに。


「あれだけ堂々と『同伴出勤』されるとね。なんせ社長のことだし、相手も元許嫁だし、逆に変な邪推する方が痛いけど」


聡子さんに溜め息交じりにそう言われて、私は思わず首を傾げた。
そんな私に、彼女はちょっと呆れたような視線を向けてくる。


「あのね。綾乃ちゃんと社長が一緒に出勤してくるのって、一般社員のカップルだったら、『朝帰り、ホテルから直行』を堂々と見せつけてるようなもんなのよ」

「朝帰り……えっ!?」


その言葉の意味するとこに行き着いて、私もさすがにひっくり返った声をあげた。
周りに誰もいないのはわかっていても、聡子さんが唇の前で人差し指を立てて、『しーっ』と私を制している。


「もしかして、今までもまったく無自覚?」


私はゴクッと唾をのみながら、勢いよく首を横に振ってみせた。
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