熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「え、っと……あの」


探るように訊ねられ、私は口ごもった。


優月が見透かした通り。
恋人同士なら、それが当たり前だと思っていた。
私がまだ追いつけなくても、一般的に考えれば『もっと一緒にいたい』って思うものだろうと。


許嫁なのに恋にはならなかった私と優月だからこそ、今までと違うことでも、思い切ってやってみないと進まない。
そういう気持ちで焦っていた、それは正しいかもしれない。


私の反応を見て、優月は少し困ったように笑う。


「焦らせたのは、俺のせいでもあるか。……今朝、ごめんな」

「え?」

「俺には大したことなくても、綾乃にとっては……あんな格好晒されたら、衝撃だったよな、きっと」


繰り返し『ごめん』と告げられ、私はなんて返事をしていいのか困った。


「しかも、感覚の違いも考えないで、意地悪なこと言ったりして」


それには黙ったまま、私は優月を上目遣いに窺った。
彼はちょっとバツが悪そうに、肩を竦める。


「ああいうの、今後もないとは言い切れないし。綾乃をびっくりさせないように、俺も気をつける。……けど」


優月はそう言って、鋭く細めた目でジロッと私を睨んだ。
いきなり攻撃的な空気を感じて、私はビクッと首を縮める。
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