熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「焦らなくていいし、変な気遣いもいらない。その代わり!」


何に勢い付いたのか、優月は長い人差し指をビシッと伸ばし、私の眉間をトンと押した。


「っ!!」


私は反射的にギュッと目を閉じ、衝撃をやり過ごしてから、そおっと目を開けた。
そうして、恐る恐る、優月に上目遣いの視線を向ける。


「か、代わり……?」


彼の言葉尻を拾って、私は怯みながら聞き返した。
優月は私の眉間から指を引っ込めて、小さな溜め息をつく。


「俺のこと、ちゃんと男として意識しろ」

「……え?」

「進藤にもウブって言わせる綾乃が、俺の寝室に簡単に入ってきて、ベッドの上で膝立ちできる。どこまでも無防備な行動。それは、まだ俺を男として、恋の相手と意識してないからだと思う」


優月はちょっと素っ気なく言って、胸の前で腕組みをした。
まるで諭すような優月の言葉に、私は何度も瞬きを返す。
そんな私に、彼は深い溜め息をついた。


「全然警戒してないだろ、って意味。確かに今までも、お互いの部屋普通に入ってたけどさ。……俺たち今、幼い頃からの許嫁じゃないんだよ。恋を始めようとした、大人の男と女」

「だから、恋人同士でしょ?」


私が間髪入れずに畳みかけると、優月はちょっと困ったように眉尻を下げた。
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