熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「わ、私だって。優月からプロポーズされるなんて、考えたこともなかった……」


私の返事を聞きながら、優月は「うん」と呟き、唇を引き結んだ。


「だから俺、この状況に焦れるけど感謝してる。ちゃんと俺たち、普通の恋のプロセスを踏んで、結婚を意識してる。こういうの、いいね」


優月はちょっと恥ずかしそうにはにかみながら、私の左手を取った。
箱から摘んだ豪華なダイヤの指輪を、薬指にそっと滑らせてくれる。


「あ……」


私は感無量で、ずっしりと重みを感じる指輪に目を落とした。


「ありがとう、優月。どうしよう。すごく幸せ……」


涙で瞳を潤ませながら、私は優月に泣き笑いしてみせた。
彼も目を細めて、嬉しそうに微笑んでくれる。


「綾乃を幸せにしたくて贈ったんだ。いいか、オフィスでも肌身離さず着けて、幸せオーラ振り撒いとけ」

「えっ。オ、オフィスでも?」


とっても嬉しいけど。
エンゲージリングって、仕事中、オフィスで普通に着けてる人を、私は見たことがない。
だから私は戸惑って、優月に聞き返した。
なのに彼は当然とでも言うように、大きく頷く。


「特に……新年度。四月以降は。これ、命令」

「四月。どうして?」


私はきょとんとしながら、指輪を着けた左手を、そっと目の高さに掲げてみた。
あまりにも豪華な指輪は、身に着けていればそれだけで幸せオーラだだ漏れになりそうだけど、やっぱり絶対普段使いできるものではない。
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