熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「きゃっ……」


いきなり肩を掴まれて、力任せにガクガクと揺さぶられた私は、思わず悲鳴をあげてしまった。


「優月っ……! 痛いよ、離して!」


優月も自分の行動にハッとしたように、私を見下ろす。


「……悪い」


優月は気まずそうに目を逸らし、肩で息をしてから小さな謝罪を私に向ける。
彼が自分を落ち着かせようとしているのが感じられ、私もホッと息をついた。


「黙ってて、ごめんなさい。でも、優月になんて言ったらいいのかわからなくて」


一度大きく深呼吸してから、私はそっと目を伏せて謝った。
優月は黙ったまま、私の肩からそっと手を離す。


「まだ進藤さんにも返事してないの。でも、もし付き合うことになるなら、ちゃんと優月にも言おうと思ってて」


私がそう続けると、優月は大きな手で隠した顔を伏せた。


「……付き合うつもりなんだろ?」

「え?」

「確かに、進藤もまだ返事はもらってないって言ってたけど。お前のことだ、全然考えられないなら、返事引っ張って気を持たせたりしないだろ。どっちに転ぶかはともかく、進藤との交際、真剣に前向きに考えようとしてる。そういうことじゃないのか」

「へ、返事を真剣に考えるのは当然でしょ! だからまだ決められないってば!」


ムキになって言い返す私の前で、優月は苛立ちを抑えるかのように、割と乱暴にガシガシと髪を掻き毟った。
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