熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「なあ、綾乃」


優月が、少しトーンを落とした声で私の名を呼んだ。
その声に導かれるように、私もそっと顔を上げる。


「お前、進藤と……いや、男と付き合うことが、どういうことかわかってるのか?」


彼は生え際からギュッと前髪を掴み、額に手を当てたまま、眉間に皺を寄せて私に訊ねてくる。


「どういうって……?」


優月の質問の趣旨がわからず、私は戸惑いながら聞き返した。


「だから……お前、想像できるのかよ? その……進藤と恋人同士になる自分」


私の視線を受けて、優月は歯切れの悪い声で、どこか言い辛そうに質問を重ねてきた。


「想像って……?」


更に困惑して首を傾げる私に、優月は『はああっ』となんだか長い溜め息をつく。


「してなかったなら、今から俺と一緒に想像してみろ。いいか? まず進藤と手繋いで歩いてる自分」

「っ……え? 優月?」


優月に思考を導かれ、私はぎょっとしてひっくり返った声をあげた。


「次は……そうだな。人目も構わず街中でイチャイチャする自分」

「ちょ、ちょっと、優月っ!」


私の反応を無視して、優月は更に指折り数え上げながら言葉を続ける。


「抱き合ってるとこ、キスするとこ」

「優月ってばっ!!」
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