熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
大きく後ろに身体が傾き、バランスが崩れた。
私は咄嗟に目を閉じる。


背中に軽い衝撃を感じた後、恐る恐る目を開けると、視界は反転していて私は天井を見上げていた。
そこに、優月の身体が割り込んでくる。
私は何度も瞬きをしながら、無意識にゴクッと唾をのんでいた。


「心配に決まってるだろう!? 俺が今までしなかったこと全部、お前に教えるって。進藤のヤツ、俺にそう言って煽ってきたんだぞ!?」


真上から、優月の焦れたような声が降ってくる。
この間、私が仕掛けたのと同じ体勢。
この角度で見上げるのは、初めてではない、けれど。


私は完全に不意を衝かれてしまい、もちろん心の準備なんかないまま。
受身も取れず、優月に一方的に組み敷かれている。


「自分の物だって安心して、籠に囲って放置してきた俺が悪い?  部外者が勝手なこと言うな。放置したわけじゃない。簡単に手なんか出せない。出せなかった。それだけだ」


誰に向けているのか、そんな言葉を発しながら、優月は険しい目で私を見つめた。


「人の気も知らないで、お前も進藤も勝手なことばかり。……腹が立つんだよ。イライラする」

「ゆ……」


呼びかけようとしたけど、こんなに感情を露わにする優月は見慣れない。
私は怯んでしまい、それ以上声が出せなかった。
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