月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】


そもそも、天龍という場所に本邸がある影小路家から斎陵学園に入っている人はいない。


陰陽師としては、まるっきり御門の人間しかいない場所に、黒は一人でやってきた。


……華樹からしたら喧嘩を売られていると思っただろうな。


「華樹なら黒坊見つけたら埋めそうだな」


「怖いこと言うな」
 

……自分で言って置いてなんだが、気絶した黒を放置してきてしまったな……。


「……無炎」


「回収してくるか? ここへ?」


「……頼まれてくれるか。色々口止めしておくのも忘れた」


「いーぜ。ちょっと待ってろ」
 

身を翻した無炎に心の中でもう一回謝っておいて、家で待っている天音にどう伝えるか考える。


黒が帰って来たこと。

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