月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】
……お迎え、ねえ。
影が、順に出てくる。その数は十から二十。
姿は和服を着たヒトの形をしている。
だがまあ見事に全員、帯刀(たいとう)だ。
戦う気を捨ててもいないようだな。
隠形している無炎の気配が鋭くなったのを、少しだけ手を振って制止する。
俺たちはあくまで依頼主に逢いに来ただ――
「あ~ごめんごめん、ちょっと遅れたー?」
………? 呆気に取られるほど軽い口調の声が聞こえて、無炎と、俺、一瞬固まった。
今の軽いの、黒……じゃないよな?
「おー、冬芽(とうが)―」
……とうが?
黒が上の方――木の上の方を向いて、そんな風に言った。
誰だ、と俺が黒に問いただそうとしたとき、すたんと軽い音を立てて、俺たちの前に一つの影が降りて来た。
「お初にお目にかかる。御門の主(みかどのあるじ)」