月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】


華取桃子。
 

浮遊霊。
 

あの子に逢いたい。
 

泣いてばかりで、断片的にしか話せない……。


「こういうの、俺より白のが得意だろ? 対象に沿うって言うかさ。白の《記憶回顧の術》なら、桃子の何かがわかるかもしれないと思って」


「まあ……俺の専門分野かもしれないな」
 

当人に逢ってみないとなんとも言えないが。


《記憶回顧》は、対象の記憶に這入りこんで、本人が忘れてしまっている記憶まで視ることが可能な術だ。


俺の得意分野、と言える。


「それで、冬芽は桃子に何を望んでいるんだ? 妻にしようとかそういう話か?」
 

俺の問いかけに、冬芽はゆっくりと足を停めた。

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