月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】
冬芽率いる鬼一派の屋敷にやってきた。
いくつもの屋敷が立ち並んでいて、周りを囲む長い塀がある。
冬芽一派は総てがここに集まっているのか。
「総領屋敷に、桃子をかくまっている。一応俺の客人扱いになってはいる」
冬芽に案内されて、最奥に構えた一番大きな屋敷に向かう。
俺と黒が同時に振り返ると、そこに無炎と無月が顕現した。
俺たちの視線は、姿を現せという合図だ。
冬芽は屋敷に入る前に一度足を停め、俺たちに式を振り返った。
般若の面のまま、頭を下げた。
……どうあっても桃子を助けたい。そう言っているようだった。
「小路の若君と御門の主を連れて来た。皆、粗相(そそう)のないように」