月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】
「出来る限りのことはさせてもらう。そのために、貴殿らの協力は不可欠だということも、承知していてほしい」
俺の言葉に、少女は唇を噛んで肯いた。
どうやら、冬芽と一族の間には溝があるようだ。
冬芽は桃子を助けたい。
一族は冬芽を悩みから助けたい。
……ちとまずいな。冬芽の悩みを解決する方法には、最悪のものも考えられるからだ。
そうなる前に、早々に解決すべき依頼か。
黒は、俺に依頼を寄越して来た。ならばこの件の主導権は俺にある。
今のところ考えるのは、まずは桃子に接触する。そしてどの程度の自我があるか、会話が出来るかの確認だ。
あまりに自我が薄いと、自分を見失って、いわゆる悪霊に落ちる可能性がある。
会話が出来るかどうかは、どの程度今の――霊体の――自分を操れているかの確認のためだ。
それから――記憶回顧の術を使うことが可能かどうか、判断する。