月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】
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翌日の放課後、昨日の四阿(あずまや)に黒を呼び出した。
「わーい、白からデートのお誘
「まずは腹に一発入れていいか?」
「……蹴る前に訊いてください……」
膝が黒の腹に食い込んだ。
おさえてうめく黒は、そのまま椅子に座り込んだ。
「華取――『華』の字を冠する華取は、影小路一派の一族だな?」
俺が問うと、黒はゆっくり顔をあげた。
昨日――もう今日という時間だったが、書庫で見つけた影小路一門の図には、しっかりその名が記載されていた。
黒は真顔になる。
「ああ。影小路一門、華取一族。今は絶えた家系だ」
「……知ってて黙っていたな?」
低く問うと、黒を立ちあがった。