笑わないシンデレラ
えっ!

私は痛む頭を押さえながら倉庫のドアに立つ人物を見た。


辻……くん……


「ち、違うの。春人……あたしは何もしてない……」


彼女は辻くんが来ると急に弱気になり、自分のやっていたことを否定し始めた。


「じゃあ、なんでこいつ倒れてんの?」


いつもの明るい声じゃなくて、1オクターブ低い声を出す辻くん。


こんな辻くん、初めて見るよ……


「ごめんなさい……」
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