笑わないシンデレラ
もう後には引けない……
そう思った彼女は否定するのをやめて今度は蚊の鳴くような声で謝罪をした


「俺じゃなくて早瀬に謝れ。」


鋭い視線……
ドスの効いた低い声。


初めて見る彼の姿に驚きを隠せない。
この人……こんな顔するんだ……


「早瀬さん!ごめんなさい!」


彼女は大きな声で叫び、私に頭を下げた


私は恐怖のあまり、首を横に振ることしかできなかった----


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