大好きだった先生は今日も私を起こす
最後の水曜日(佐田編)
二人きりの授業をしてから気づけば二カ月近く経っていた
楽しいことはあっという間だとはこういうことだと感じた。
「おはよ〜...」
いつもより元気のないハンナが教室にきた。
「はよ!映画みるぞ!」
そう言うと、ニコニコっとした。
ったくこいつは、サボることしか頭にないのか!?
なんて、イラつくことは不思議となく。
むしろその笑顔に支えられていた部分があった。
「よし、帰るか」
「うん、先生寂しがらないでね」
家に帰ってもあの寂しげな顔と、笑顔が頭から離れずずっとため息をついていた。
「はぁ...」
頭を抱え、疲れているせいか寝てしまった。
夢を見た。
ハンナの、夢を見た。
どんな夢だったかは覚えていない
でも、もしかして
「俺、もしかしてあいつのこと...」
なわけないか。
そう思った日だった。