大好きだった先生は今日も私を起こす

白いジャージ








いつも通り部活に参加する。











「お前、上着は?」



「ない」


「寒いだろうが。ほら、俺の」


「あ、ありがとう...」






...鈍感なのかな








帰り際、先生に上着を返そうと廊下で待つ。


外はもう真っ暗。


大好きな白いジャージを着た自分が窓に反射していてため息が出た。




生徒って複雑だな...









「あ〜いたいた」


「ジャージ返すね、ありがとう」


「ん、いいよ。どうせまた来るでしょ?」



「...?」


「だから、着て帰って、いいよ」


「...はっ?」


「寒いし、また、くるでしょ?」





行くけど、 行くけどさ、、
そんなの、、、



「いいよ、ハンナちゃん着て帰っちゃえ笑」



他の先生方が私達の会話を聞き入ってくる




「うん、いいよ?本当に。風邪引いちゃうし。ね?」



「わ、わかった、ありがとう...」









先生のジャージを着て帰る



どこにいても先生の香りがする











すっごくドキドキした、冬の夜。












もう来週から自由登校かぁ...



そうなると、会えないどころか部活にも行けないなと
残り少ない先生との時間を大切にしようと思った









「...寂しくなっちゃえばいいのに」






涙が出た。









さみしいのはわたしのほうだった。










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