大好きだった先生は今日も私を起こす
第六章
急展開
先生が白いジャージを着なくなった理由を
私だけが知っている。
冬の香り、冷たい風、鳥の鳴き声、夕焼け
それは、一月下旬の事でした。
自由登校期間に入る前日
私の教室の前に先生が立っていた
「なにしてるの?」
「何も。これから片付けだよ」
「じゃあ、手伝うよ」
「いいよ、帰りなよ」
「今日はケチなの?」
「うこ達待ってるだろ〜!」
「わかったーかえりますー!」
嫌々下駄箱へ向かった
次会えるのは、卒業式だよ?
私、このままでいいのかな...
「ハンナ〜、今日どこ行く?」
「...ごめん。忘れ物した!」
「え?」
「先帰ってて!!」
勝手に足が動いた
先生の元へ戻れと、聞こえた。