大好きだった先生は今日も私を起こす









「あのさ、自由登校期間中野球くるか?」





「えっと...」




行く気満々だった私だが、




「わかんない」



そう答えた。




「いつあるかとか今の時点でわからないし、毎日学校に電話されてもなぁ」







何言ってるんだろう?
そう思っていると





「メモ。今、メモできる?」



「うん」


「それじゃあまず、条件を言うよ。」



「条件...??」



「連絡は部活のことだけ。在学中俺からは連絡しないし登録もしない。LINEは卒業してからでいいか?」



「ま、待って。それって...」



「待たない!言うよ!080123...〜」






これが、初めて先生が番号を教えてくれた日。





「合ってる?リピートアフタミー!」






好きな人の連絡先が登録されているだけでも
こんなにも、嬉しいんだ。




初めて知った。








先生に出会ってから、初めて知る気持ちばかりだよ。







「木曜日の0時。電話して。」



じゃあな、と手を振る先生の後ろ姿が愛おしかった冬。










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