大好きだった先生は今日も私を起こす
第三章

二学期










涼しそうな格好の人達、蝉の声はないが、半袖で少し涼しい温度







気づくと夏は終わりに近づいていた












約一ヶ月ぶりに学校の階段を上る。




私の教室は4階。








「もう〜、、相変わらず遠いな!!」






ぶつぶつ1人で言っていると、




一瞬、あの柔軟剤の香りがした。










この香り、絶対先生のだ。
先生東北出身だから暑いの苦手だろうなぁ
ていうか久しぶりだなー
元気だったかな?




そう思い、香りを辿っていくと、







白いジャージの先生が









「...いた〜!!!」




そう叫ぶ私の声に驚いて振り向く




「お。久しぶりじゃん。元気だった?」





「もちろん!先生こそ、夏生き抜けれた?」





「マジで、夏だけは実家に帰っていたいよ」



くしゃっと笑う先生。





相変わらず良い香りだなぁ





そんな変なこと考えているとチャイムが鳴った。








「じゃ!またあとで!」






「う、うん、、??」






またあとでって、今日なんかあった...?





















「はーい、今日から授業内容が変わるよ〜!教室も変わるので、間違えないように!」





背が高く鼻も高い、坊主の似合う川先生がそう言うと


「やだな〜」

と生徒達がだるそうに言う。




班に分かれてローテーションで回っていく授業だ。


私の班は、だれもいない。



あんまり学校に来ない子や、サボっている子ばかりが集まっているグループだった為、授業はひとり。




そんな中、先生が現れ


「いくぞ」


と私に声をかける。







ん...?








またあとでって、そういうこと!?









そう、この日。




夏休みあけの授業。







先生との2人きりの授業が始まる。








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