守神様の想い人
『サァラ?』

力なくクテッとしたサァラに声をかけるけれど、返事はなく、顔を離して見ると、目を閉じていた。

『サァラ………、眠ったの?』

しょうがなく、守神様は溜め息をつきながらサァラを寝かせた。

『………………、話をするのはサァラが回復してからって、………約束したのに。ごめん。サァラ………。』

静かに眠るサァラは頬が少し赤みをさしている。

じっと見つめながら熱い溜め息をまたひとつついてつぶやいた。

『もう、我慢の限界なんだけど………。』

サァラの手を握り、しばらく何かに耐えていた守神様はもう一度サァラを抱きしめた。



「サァラ、元気になったかしら。」

リジュアが温かいお茶を飲みながらポツリというと、ミアも、お茶をすすりながら、

「そうだねぇ。守神様のところなら、すぐに善くなるような気がするよ。話しただろう?怪我なんて消えちゃうんだよ。」

一日の仕事を終え、暗くなるのが早い冬季の早めの夕食の後………、サァラを守神様に預けて、十日ほど経った頃だった。

「まぁ、なんにしても、守神様のところなら安心だよ。」

「そうよね。」

二人はまた同時にお茶を飲んだ。その時………………、

『ミア………、リジュア、ガイル………、』

聞き覚えのある声が聞こえた。

二人は顔を見合わせて息をのんだ。

「今の………、守神様だよね?」

すると、部屋中にまばゆい光に溢れたかと思うと、守神様が二人の側に姿を現した。

「はっ!えっ?守神様!」

リジュアが驚くと、

「サァラに何かあったんでしょうか?!」

ミアも驚きながら尋ねた。

守神様は眉をしかめて困ったように二人を見ている。

「ミア、リジュア………、あれ?ガイルは?」

「あ、えっと、ガイルはガイルの自宅に………、」

リジュアが話す途中で、守神様は二人をつかみ、気がつくとガイルの家に移動していた。

「えっ?リジュア、おばさん?………っ!守神様?!」

まばゆい光の中、ガイルはもちろん驚いたが、ガイルの家族は何事か理解できずに固まった。

『ガイル。一緒に来て助けて。』

守神様が手をのばしてきて、ガイルを捕まえた。

「えっ?あっ、ちょっ、ちょっと行ってく………」

目の前でガイルがリジュア達と消えると、ガイルの家族はしばらく固まったまま、動けなかった。



「えっと………、で、えっ?どうしたんですか?」

ガイルが守神様の屋敷に来たことを確認して尋ねた。

三人を解放した守神様は脱力して長椅子にへたりこんだ。

両手で頭を支えるように項垂(うなだ)れている。

『ミア、リジュア、ガイル………、急にすまない。』

守神様は項垂れたまま謝った。

「あ、あの………、サァラは?」

ミアが不安そうに尋ねると、背後から驚いたような声が響いた。

「お母さん!リジュアにガイルも!?」

「サァラ!元気になったのね?!」

リジュアがサァラの両手を持って喜んだ。

ミアも安心した顔でうなづいている。

「サァラ、元気になってるじゃないか!良かったな!」

ガイルも喜んでサァラの手を持っているリジュアの肩に手を起きながら、サァラの顔を見た。

「ん?で、どうして俺達をここに?守神様?」

みんなが守神様の方に目をやると、困ったように微笑んだ。

『私を助けて欲しいんだ。』

みんなは顔を見合わせた。
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