守神様の想い人
扉を開けると、立ったまま苦虫を噛んだような顔をつき付き合わせていた三人が一斉に振り向いた。

サァラはさっき、守神様がしようとしていたことを思い出すと恥ずかしくて、真っ赤になってうつむいてしまった。

その様子を見て、三人は思わず息をのんだ。

そんな中、守神様はニコニコしながらサァラの手を引き三人の前に歩みよった。

「あの、守神様?」

リジュアが心配そうに声をかけた。

すると、守神様は満面の笑みをうかべた。

『リジュア、ミア、ガイル!サァラが私の妻になることを了承してくれたんだ!』

「ええっ!?」

三人は一様に驚いた。

「えっ、でも、サァラ………、本当?」

すると、サァラは真っ赤な顔はあげずに、首を縦に振った。

「あー、よかったぁー!」

リジュアはミアとガイルの手を握りながら喜んだ。

『もう少しで、三人のお許しをもらう前に契りを交わしてしまうところだったんだ。』

朗らかに言い放つ守神様を前にサァラはますます赤くなり、三人は得心したように顔を見合わせた。

『じゃあ、あらためて………。ミア、リジュア、ガイル………、サァラを私の妻に迎えることを許してくれるかい?』

三人は顔を見合わせて、それから微笑み、ゆっくりとうなづいた。

『それじゃあ、サァラにも………。サァラは私の妻になって、ずっと私といてくれる?』

サァラは湯気が上がりそうな顔を少しあげて、微笑みながらうなづいた。

『ありがとう。サァラ。』

守神様は嬉しそうにサァラをぎゅっと抱きしめ、サァラは赤い顔を一層赤くした。

『ああ………、サァラ………。』

サァラを抱きしめていた腕をゆるめ、守神様はサァラに顔を近づけた。

「え………、あ、あの………、」

サァラはこれ以上ないほど赤くなりながら背中をのけ反らせる。

「オホンッ!」

『ん?』

キョトンとする守神様をガイルが一つ咳払いをして振り向かせた。

ミアとリジュアも居住いが悪そうにあらぬ方を向いている。

「あの………、守神様。提案があるんですが………。」

相変わらずキョトンとしている守神様にガイルが微笑みながら声をかける。

『提案?』

「そう、俺とリジュアももうすぐ結婚の儀式をするんです。それが、無事に済んでから契りを交わすのが村の習わしなんです。だから………、」

なにか閃いたように目を見開いて、それから守神様はニッコリ笑った。

『じゃあ、サァラと私も習わしにのっとって、その儀式をすればいいんだね。』

サァラがホッとしたように微笑んだのを見て、ガイルもリジュアも胸をなでおろした。

そして、守神様はサァラが笑ったのを見て喜んだ。
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