守神様の想い人
五人はテーブルを囲んで眉をしかめていた。
正しくは四人と言うべきかもしれない。
「んー、どうしたらいいのかしら?」
結婚の儀式を守神様とサァラもしようということになったのは良かったが、四人はどうしようかと考えていた。
守神様を前にすると、村の皆が恐縮してしまって儀式どころではなくなってしまう。
でも、守神様はそんなのを喜ばないと思ったのだ。
真剣に考え込む四人にお茶を出しながら守神様は首をかしげた。
『みんな、何を考え込んでるんだい?』
「えっと………。」
サァラが言いよどむと、ガイルがつづけた。
「結婚の儀式はそんなに堅苦しいものじゃなくて、長老に結婚を認めてもらって、後は皆で騒ぐんですよ。でも、守神様のお姿を見ると、たぶん皆………。」
『ああっ。』
合点したように守神様が手を叩いた。
『あの、贄の儀式みたいになっちゃうんだね?』
守神様に初めて合ったときのミアを思い出したのだ。
ガイルは眉をしかめて小さく笑いながらうなづいた。
『うーん。それは嫌だなぁ。せっかくの悦ばしいことなのに………。』
しばらく何か考えているようだった守神様は、ガイルをじっとみつめだした。
「どうしたんです?」
『うん?なんだか、良い考えが浮かんだよ。』
守神様は楽しそうに笑う。
『私がガイルの弟になろう。』
それを聞いた四人はぽかーんとして固まった。
そのうち、ガイルがやっとのことで声を出す。
「えっ?守神様が弟?お、俺の?!」
『そうだよ。見てて。』
守神様は目を閉じて、集中しはじめた。
何事かと見守る四人の前で、守神様の姿は光を静め、普通の人の姿になった。
「ええっ!?」
サァラが驚き、ミアもリジュアも目を見張った。
ガイルは渋い顔をしながら、うなづき、
「俺の弟にしちゃあ、美形過ぎるけどな………。」
そう言って笑った。
『後はガイルのご両親に話を合わせてもらって、村の皆は………、ちょっと楽しい気分にさせて誤魔化そう。』
「ええ?そんな感じで大丈夫かしら?」
心配そうにするサァラに守神様はニッコリ笑ってみせた。
「それじゃあ、結婚の儀式まではサァラをお預かりしますね。」
ミアがサァラの肩を持ちながらそう言うと、守神様が少し驚いたように目を見開いた。
「ふふふ、結婚の儀式までは後五日です。それまで、最後の一人身を有意義にお過ごしください。」
ミアの言葉にがっくりしたような守神様にガイルが近づき、なにやら小声で話した。
すると、守神様は顔をあげ優しく微笑みうなづいた。
「なあに~、男同士で内緒話なんかしちゃって。」
リジュアがめざとく言うと、ガイルはニカッと笑うだけだった。
「と、いうわけなんだ。頼むよ、親父(おやじ)、母さん。」
「そ、そ、そりゃあ、もちろん協力するよ。だけど、大丈夫かなぁ?」
どもりながら、ガイルの父親がチラチラと守神様を見ている。
守神様はもちろん人の姿でガイルの両親のもとへ来ているのだが、ガイルを屋敷へつれに来たときの守神様の姿を見ていた両親はやはり顔が強張っていた。
『お世話になるよ。ガイルの父君、母君。』
姿はずいぶん人に近くはなっているけど、雰囲気はやはり守神様だ。
「は、はいっ!」
ガイルの両親はピンと背筋を伸ばして返事をした。
ちなみに、ガイルが守神様に連れられ消えたとき、ガイルの両親は仰天して、長老の家に飛んでいったのだ。
ガイルを連れ去ったのが守神様とはわからなかったし、急に消えたと村は大騒ぎになっていた。
そこへ、五人で戻ってきたのだが、
『なんだか………、ややこしくなってるね。あんまり記憶を消すのは好きじゃないけど、皆ごめんね。』
そう言って、ガイルの両親以外の記憶を少し消したのだった。
正しくは四人と言うべきかもしれない。
「んー、どうしたらいいのかしら?」
結婚の儀式を守神様とサァラもしようということになったのは良かったが、四人はどうしようかと考えていた。
守神様を前にすると、村の皆が恐縮してしまって儀式どころではなくなってしまう。
でも、守神様はそんなのを喜ばないと思ったのだ。
真剣に考え込む四人にお茶を出しながら守神様は首をかしげた。
『みんな、何を考え込んでるんだい?』
「えっと………。」
サァラが言いよどむと、ガイルがつづけた。
「結婚の儀式はそんなに堅苦しいものじゃなくて、長老に結婚を認めてもらって、後は皆で騒ぐんですよ。でも、守神様のお姿を見ると、たぶん皆………。」
『ああっ。』
合点したように守神様が手を叩いた。
『あの、贄の儀式みたいになっちゃうんだね?』
守神様に初めて合ったときのミアを思い出したのだ。
ガイルは眉をしかめて小さく笑いながらうなづいた。
『うーん。それは嫌だなぁ。せっかくの悦ばしいことなのに………。』
しばらく何か考えているようだった守神様は、ガイルをじっとみつめだした。
「どうしたんです?」
『うん?なんだか、良い考えが浮かんだよ。』
守神様は楽しそうに笑う。
『私がガイルの弟になろう。』
それを聞いた四人はぽかーんとして固まった。
そのうち、ガイルがやっとのことで声を出す。
「えっ?守神様が弟?お、俺の?!」
『そうだよ。見てて。』
守神様は目を閉じて、集中しはじめた。
何事かと見守る四人の前で、守神様の姿は光を静め、普通の人の姿になった。
「ええっ!?」
サァラが驚き、ミアもリジュアも目を見張った。
ガイルは渋い顔をしながら、うなづき、
「俺の弟にしちゃあ、美形過ぎるけどな………。」
そう言って笑った。
『後はガイルのご両親に話を合わせてもらって、村の皆は………、ちょっと楽しい気分にさせて誤魔化そう。』
「ええ?そんな感じで大丈夫かしら?」
心配そうにするサァラに守神様はニッコリ笑ってみせた。
「それじゃあ、結婚の儀式まではサァラをお預かりしますね。」
ミアがサァラの肩を持ちながらそう言うと、守神様が少し驚いたように目を見開いた。
「ふふふ、結婚の儀式までは後五日です。それまで、最後の一人身を有意義にお過ごしください。」
ミアの言葉にがっくりしたような守神様にガイルが近づき、なにやら小声で話した。
すると、守神様は顔をあげ優しく微笑みうなづいた。
「なあに~、男同士で内緒話なんかしちゃって。」
リジュアがめざとく言うと、ガイルはニカッと笑うだけだった。
「と、いうわけなんだ。頼むよ、親父(おやじ)、母さん。」
「そ、そ、そりゃあ、もちろん協力するよ。だけど、大丈夫かなぁ?」
どもりながら、ガイルの父親がチラチラと守神様を見ている。
守神様はもちろん人の姿でガイルの両親のもとへ来ているのだが、ガイルを屋敷へつれに来たときの守神様の姿を見ていた両親はやはり顔が強張っていた。
『お世話になるよ。ガイルの父君、母君。』
姿はずいぶん人に近くはなっているけど、雰囲気はやはり守神様だ。
「は、はいっ!」
ガイルの両親はピンと背筋を伸ばして返事をした。
ちなみに、ガイルが守神様に連れられ消えたとき、ガイルの両親は仰天して、長老の家に飛んでいったのだ。
ガイルを連れ去ったのが守神様とはわからなかったし、急に消えたと村は大騒ぎになっていた。
そこへ、五人で戻ってきたのだが、
『なんだか………、ややこしくなってるね。あんまり記憶を消すのは好きじゃないけど、皆ごめんね。』
そう言って、ガイルの両親以外の記憶を少し消したのだった。