エキストラヒロイン



ヒロインに限ってそれはないと思うけど、普通はそういう心情の傾きが始まる場面なんだけど!?



「でっ、でもさ、あたしへの気持ち、ちょっとは変わったでしょ!?」


「別に」


「どっちかというと好きでしょ?」


「………だから、山田は自意識過剰すぎるんだって。お前のことは『嫌い』のまま変わってない」



ガーンと重たい岩があたしの頭に落ちる。


来栖くんのゴーストヘルパーになり、イエスしか許されない奴隷にもなって、こんなに尽くしているのに。

気難しい王子様のヒロインになるのは楽じゃない。



「どうすれば好きになってくれる?」


「…さぁ」


「わからないってことは可能性ありってこと!?」


「山田の働き次第」


「ほんと!?あたし頑張る!!」


「近寄るな、バカが移る」


「ふふふっ」



遠慮なく来栖くんの隣に座ると、鬱陶しそうに体を避けられた。


でも曲げない折れない挫けない!
それがヒロイン!




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