記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
「じゃあ、今度一緒に行こうよ」
「え?」
楽しい想像もそこまでだった。急に体に緊張が走る。
「海外でも北海道でもどちらでもいいけど、二人の思い出が欲しいな」
「いやあ~、私……動物を見だすと長いよ? 退屈でしょ?」
「平気だよ。ヒナが楽しそうなら、俺も楽しい。海外? 国内? どっちがいい?」
国内だったとしても、朔の言い方からして泊まりだということは分かる。
まだ交際一日も経っていないのに、デートを通り越して泊まりの旅行に誘うなんて破廉恥過ぎると、雪乃は心の中で罵った。
「ちょっと、朔? 私たち、さっき付き合いだしたばかりだよね? それも、お試しって形の」
「ああ、そうだね。だから?」
「だから? じゃなくて。普通の男女交際っていうのには順序があって、まずはお互いの距離を縮めるためにデートをするんじゃないの? それから手を繋いで、キスをして」
その先を言うのが恥ずかしくて押し黙ると、朔は体を寄せてきて耳元に唇を近づけて囁いた。
「セックスするんでしょ?」
吐息とともに吐き出された言葉に、ゾクリッとして距離を取ろうとすると、腰に腕を回されて体重をかけられた。
自然と雪乃はソファーに倒れこむことになり、覆いかぶさった朔が上から見下ろしてくる。