記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!



「でも、この間……書店デートとランチデートしたし、昨日はキスをしただろ? つまりは順調に進んでる」

「待った! 交際前をカウントするのは卑怯でしょ!!」

「なんで? そもそも、俺たちは初対面の相手でもないし、何も知らない間柄って訳でもない。それを足したら、一緒に旅行に行くための権利は得てると思うけど?」

 妖しく瞳を煌めかせた朔は、片手を雪乃のTシャツの下に滑り込ませて素肌に触れた。
 誰にも触られたことのないその場所に、大きな手が触る感触に震える。
 
「ひゃっ……」

「この段階に進んだっていいと思う」

 抵抗も虚しく、さらに手が上を目指して動きはじめるとーーガラステーブルに置かれた朔のスマートフォンが鳴った。
 一瞬、朔は手を止めてスマートフォンの方を見たが、無視して雪乃にキスをしてくる。
 息苦しくてうっすら開いた口に、朔の舌が入ってきて、くちゅくちゅと唾液を絡めるようなキスをしかけてくるが、スマートフォンは鳴り続いていた。

「んっ……はぁ、ちょっと……でんわっ」

「別に気にすることないよ。それより、俺に集中して」

 どうにか朔の胸を両手で押して引きはがして、息絶え絶えで言ってはみるが、朔に出る気はないのかまた顔を近づけてくる。




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