記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
【テーマパーク】
そんなところに連れて行こうとしているのなら、朔は自分のことを何も分かってないと雪乃はがっかりした。
昔から、テーマパークというものが苦手だった。
絶叫マシンに乗ってどう声を出したらいいのか分からないし、メルヘンな雰囲気にはしゃぐタイプでもない。
何より人が入っているマスコットに会ったって、何を喜べばいいのか本気で理解出来ないのだ。
人が大好きなテーマパークのお土産や食事をテレビで見ても、高くて意外と夢の国って価格じゃないなという感想しか浮かばなかった。
何より人が多く、待ち時間の多い場所は、雪乃にとって苦痛でしかない。
想像しただけで、ぐったりと疲れてしまった。
「ヒナ? どうしたの、いきなり静かになって」
信号で止まったのか朔の心配そうな声が聞こえてきて、雪乃の視界の隅に伸ばされる手が入って片手で払った。
「いますぐ帰りたい」
思わずそんな声が口から出てしまうと、朔の困惑が感じ取れたが、日曜日のテーマパークになんて行きたくない。
「その我が儘は聞けないよ、ヒナ」
「なんで? 行き先は相談すべきじゃないの? テーマパークだなんて」
「テーマパークじゃないよ。もう着いたから、外を見てご覧」
むっつりとした気分で言われた通り外に目を向けると、飛び込んできた看板の文字に落ちていた気分はどこかに飛んでいった。