記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!




 手が迷わず向かうのは、ブラのホックだろう。
 今日ってなに着けてたっけ?
 なんて呑気な考えに、雪乃は両手に力を入れて、ぱっと唇も体も離した。
 突然の動きに、朔の口からは不満の呻きが漏れる。

「ヒナ、どうした?」

 それでも、彼の両手はTシャツの下で、素肌を親指で円を描くように撫でている。

「あの……えっと、その」

 余りにも言いづらくて戸惑って下唇を噛むと、Tシャツの下から片手が滑り出ていき唇に触れられる。

「噛まないで……その仕草、ヤバいから」

「な、ヤバいって」

 そんなに酷い見た目なのだろうかと思って、口元に手をやれば目元を和らげた朔に手首を掴まれた。

「そういう意味じゃない。ヒナのことが欲しくなって困るから、あまり挑発しないでほしいってこと。俺だって、理性の限界はあるんだよ」

「なら、離れた方がよくない?」

「ヒナは、やめたいの?」

 腰を引いて膝から下りようとしても、腰を強く掴まれてしまい出来ない。
 そう問われて、どう言えばいいのだろうか。




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