記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
小さく爆発したさっきの発言は、本気で好きだからこそのもので間違いではない。しかし、それを改めて言われると、恥ずかしくて仕方がない。
ようやく肩から顔を離した朔は、こつりっと雪乃の額に自らの額をこすりつけた。
けれど、恥ずかしすぎて目の前にあるであろう、彼の瞳を見つめることができない。
「ねえ、ヒナ。こっちを見てよ」
甘い声音と甘い吐息が唇を掠め、それでも目を上げない雪乃の唇にふんわりとキスが落ちる。
誘うような、溶かすような、優しくゆっくりとした口づけは、次第に息を吸うために開かれた唇の間から舌を忍び込ませる濃密なものへと変わっていく。
熱く湿った舌が絡みつき、どちらのものともつかない唾液が雪乃の唇の端から零れ落ちれば、朔は唇を離して舌先で辿っていく。
「はあっ……」
急激に入ってきた新鮮な酸素に、雪乃は大きく胸を上下させて喘いだ。
くらくらしてきた彼女は、一歩後ろに下がって近くの壁に背中を預けると力無く座りこむ。
体が疼いて、胸の先端が期待に立ち上がりブラの中で生地に擦れてむずがゆい。あんなキスをされて、期待に体を震わせない女がいるのだろうか。
「ヒナ……もう我慢できない。抱きたい」
シンプルな告白に、潤んだ瞳で朔を見上げれば、口元を手の甲で拭う朔が餓えを覗かせた目で見下ろしていた。
どう返したらいいか分からない。
ぼんやりと息が落ち着くのを待っていると、しゃがみ込んだ朔は、怖いほど真剣な顔で雪乃の腰と膝裏に腕を入れてそのまま立ち上がった。
これまで、幾度も小説では書いてきたが、経験したことのないお姫様抱っこに動揺を隠せない。