記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
「……おぼえてる」
小さく吐息と共に漏らせば、頭の上から大きなため息が聞こえた。腰に回されている腕から力が抜ける。
「はぁー、よかった。無かったことにされなくて」
頭に重みを感じ、空いている方の手で耳の辺りを撫でられてくすぐったい。
思わず肩を竦めると、柔らかな感触が髪に押し付けられた。
「ねえ、昨日は余裕が無かったんだよね」
「は?」
「ほら、昨日は感激しすぎて急いでやり過ぎたじゃない?」
なんのことだか分からないでいると、耳から首へと撫でていた手が下ろされ、代わりに裾から手が入ってくる。
温かな手で腹部を撫でられ、治まっていた熱を思い出させた。
「もっと、ここに俺のことを覚え込ませたいんだけど……」
腹部で円を描くように撫でられると、何度も何度も彼が出入りするのを受け入れた感触と感覚が蘇ってきて、触られてもいないのに足の間がヒクついてしまう。
「ねえ、今から抱きたいって言ったら幻滅する? まだ午前中だけど」
耳に吹き込むように言われ、ぞくりとする。
幻滅するかと聞かれても、答えに困ってしまった。
以前までの雪乃だったら、こんな昼間から馬鹿じゃないかと思っていたかもしれない。
けれど、実際に気持ちを確かめ合い、セックスをしてしまった今の雪乃には、馬鹿なこととは思えなかった。
求められるという経験に、喜びが沸いて来る。
拒否するなんて考えも浮かばない。