記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!
「さあ、どうぞ」
「ゆっくりしていってね」
先に歩き出した隼人に促され、笑顔の秋葉に見送られながらレストランの中に入ると、まだ誰もいない店内は静まり返っていて広く感じる。
隼人が案内してくれた席は、広大なハーブガーデンを見渡せる窓際の席。
朔が動くよりはやく、隼人が引いてくれた椅子に腰掛けると、自分で引いて座った朔の顔には見覚えのある表情が浮かんでいた。
まだ三人で仲良く遊んでいた頃、卓馬に対して向けていた。
「注文は事前に受けているから、すぐに用意を始めるよ」
そう言って厨房へと隼人が姿を消すと、朔はにっこりと微笑んだ。
「ねえ、ヒナ。さっきの質問に答えてもらってないんだけど」
「質問? もしかして和人君のこと?」
名前を口にした途端、朔の微笑みが冷たいものに変わった。
すでに口元は笑っていても、目が笑っていない。
「そう……その和人って、一体誰なわけ?」
「か……和人くんは、私の担当の一人よ」
「仕事の相手にしては、ずいぶんと親しげだったけど?」
刺々しい言い方に、雪乃はむっとした。