記憶の中のヒツジはオオカミだったようです!




「悪い? 彼は世話焼きだから、自然と懐にはいってくるのよ」

「卓馬といい、さっきのシェフといい、その和人って男といい……簡単に気を許し過ぎじゃないの?」

 目の前で、誰もがカッコイイというであろう男の目が細まる。
 こんな表情もするのかと、再会してから雪乃は初めて見る朔に興味津々だ。

「ねえ、何が可笑しいの?」

「いやー、朔が嫉妬でもしてるのかと思って」

 表情と男の名前を口にするときの刺々しさ。
 どこをとっても、嫉妬以外にありえない。
 
「それのどこが可笑しいのさ。俺はいつだって、ヒナの隣に卓馬がいるのが気に入らないのに」

「なんで? あんたにとっても親友でしょ?」

「親友? 違うよ。卓馬はいつだって俺のライバルであって、親友じゃない」

 意外な答えに、雪乃はぽかんとしてしまった。
 離れていた期間を除いて、一緒にいる期間は、二人がなくてはならない親友同士だと思っていた。

 三人はつねに一緒で、卓馬と朔は学年一位と二位を争い、切磋琢磨するのに不可欠な存在。
 雪乃は、そんな二人を見るのが好きだった。
 なのに、朔は違うと言う。
 昔を思い出していると、目の前にサラダが置かれた。



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