ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
だってもうとっくに由宇さんに惚れまくりな訳だし、今され惚れるってのはないから。




半分は悔し紛れに言ったのもあるけれど。




また言い返してくるのかなと思っても由宇さんは何も言わない。




「どうかしましたか?」




尋ねて漸く『何でもないわ』と言うけれど、その態度はさっきまでとは偉く違ったものだった。




突然距離を置かれたような気になる。



しかも、絶対に乗ってこないと思ってた俺の挑発に、乗ってくるような言動。



『…私が誘惑できたらもう何も言わないのね?』





そう言って手を俺へと近づけて来る。




視線はじっと俺の目を見つめたままで、ツーッと由宇さんの指がスーツの上に這う。




そして俺の胸の上で手のひらを広げた。





大丈夫だ





由宇さんは誘惑なんてできっこない。




ここで終わりになんてならない。




だから絶対に動揺なんてしてやらない。





< 215 / 344 >

この作品をシェア

pagetop