ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
祈りにも似た気持ちだった。



全身が金縛りにあったみたく動かない。



動けない。




それでも




絶対に動揺なんて出来ないと頭の中では必死だった。





目の前にいるのは由宇さんとは別の人だって言い聞かせて

何も感じないと言い聞かせる。









そんな俺の耳に、屋上のドアが開く音が聞こえた。





ハッとする仕草で手を離す由宇さん。





途端に弛む体の筋肉。




真夏の暑さも加わって、じっとりと嫌な汗が手や背中から噴き出す。





カツカツ……とヒールの音が響く。





誰だ?
俺たちのいる場所はドアからは見えない場所だからまだお互いの姿は見えない。




もしかして加藤さんが俺を探しに来た?





別れてからは何もなかったから忘れてたけど、加藤さんなら俺がここにいるってわかって来た可能性が高い。





由宇さんと二人きりでいるところなんて見せられない。





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