ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
手を洗い終えて水気を切りながら鏡越しに部長を見る。





部長も鏡越しに俺を見ている。




いつか喫煙室で見せてた表情と同じだと感じた。





目を逸らしたら負け
そんな気がしてじっと動かずに見ていると、突然部長の顔が緩んだ。




想像していなかった柔らかい微笑みに思わず見とれてしまう。




だって



端正な顔が微笑むだけで甘いものに見えるなんて、思いもしなかったから。






完全に固まる俺に対して部長は背を向け、普通にドアを開けてトイレを後にしようとしている。




『忠告ありがとう。真摯に受け止めるよ』






完全にトイレを出てドアがしまる寸前、部長は俺を見て言った。





その顔にもう笑顔は無かった。






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