ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
でも……



選んでくれた曲を歌って喜ばれても、良かったと誉められても何も感じない。






笑って話してる自分が自分じゃないみたいだ。







『結城くんて彼女とかいるの?』







カラオケを終えて、何か食べて帰る事になってファーストフード店へ向かう途中、ずっと隣に座ってた女子が聞いてきた。






「いや、いないよ。何で?」






聞き返した俺に何か期待した顔で見上げてくる。







『そっか〜いないんだ!私もね彼氏と別れたばっかなんだ。
ねぇ、気になる子とかは?』









気になる子……









「……いたよ。つい昨日まで。」







ズキンって胸が音をたてる。







言葉ではいくらでも過去の事に出来るのに。








まだ気持ちは過去に出来てない。





過去にしたくないって…胸が音をたてて抗議してくるみたいだ。







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